カラオケはさまざまな効果のある優れたストレス対処法です。
今回はカラオケの効果についてお話しさせていただきます。
まず、カラオケには溜まったストレスを発散する「カタルシス効果(こころの浄化作用)」があります。1つには大きな声を出してスッキリする効果、そしてもう1つは普段できない自己表現ができる効果です。カラオケの歌詞には「私は〜したい」などの表現「好き、うれしい、ドキドキする」など多くの感情を表す言葉が登場します。カラオケを歌って自分の気持ちや感情を思い切り表現することで、普段心にしまいこんでいることを開放することができます。カラオケは無意識で行える自己表現(アサーション)のトレーニングなのです。人間は会話では言えないことも、歌なら言えるんですね。
また、カラオケを歌うことは呼吸法としての効果もあります。カラオケをうまく歌うためには、大きく吸った息を歌いながらゆっくりと吐き出さなければなりません。大きく吸った息を長い時間をかけて吐き出すという呼吸法は胸とお腹の間にある横隔膜を刺激し、それだけでリラクゼーション効果があります。また、横隔膜を刺激することにより体の免疫力が高まり、病気になりにくくなると言われています。私たちが呼吸をするときは通常1分間に15〜20回ぐらいですが、歌うときは(歌のテンポにもよりますが)それが1分間に10回程度になります。カラオケには緊張をほぐしてストレスを取り除くために役立つ呼吸法を体で覚えさせる働きがあるのです。
さらに、カラオケを歌って満足をしたり幸せを感じると、脳からβ−エンドルフィンなどの「幸福ホルモン」と呼ばれる物質やドーパミンなどの「快楽ホルモン」が分泌され、喜びや快感が全身に広がります。そして、「苦しみ」や「悲しみ」などの感情が消滅し、「心地よさ」や「エクスタシー」を感じることができます。
次に、カラオケに仲間たちと行く効果についてです。カラオケにはストレス耐性(ストレスに対する抵抗力)を高める効果があります。人間は物事の考え方(認知)をポジティブ(前向き)に変えることによってストレス耐性を高めることができます。そのためには日々のポジティブトレーニング(ポジティブな考え方に変わるためにポジティブな言動・行動を意識的にするトレーニング)が必要です。実はカラオケは無理なく行えるポジティブトレーニングなのです。
カラオケに行くと、普段仕事では一言も人をほめたことがない人が「上手いね〜、声がいいね〜、歌たくさん知ってるね〜」と人をほめます。また、必ず拍手します。そして、笑います。ほめるというのはポジティブな言動です。拍手するというのは「すばらしい!」という気持ちを表すポジティブな行動です。また、笑うことも代表的なポジティブな行動です。仲間たちとカラオケに行くことによって、お互いにほめ合い、拍手し合い、笑い合うことによって、カラオケを歌わない人も含めた全員のポジティブトレーニングになります。私たちはこれらのポジティブトレーニングを日々続けることによって、ストレスの溜まりにくい体に変身することができるのです。
この他にもカラオケには「歌詞を覚える」など、脳を活性化する効果もあるそうです。以上のようなさまざまな効果から、私はカラオケをお勧めしています。カラオケを敬遠している方もまずはカラオケに行ってみる事からはじめてはいかがでしょうか。何かいいことがきっとありますよ。(終) |