まずは、次のクイズを考えてみてください。「口は3、目は4、では鼻はい
くつ?」・・・。正解は9です。口は3(味覚=3カク)、目は4(視覚=
4カク)、鼻は9(嗅覚=9カク)です。
人間の感覚機能には5つ(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)あり、これを五
感といいます。今回は、この中の「嗅覚(鼻)」に刺激を与えることでストレスを解消する「アロマテラピー」をご紹介します。私自身はアロマテラピーを自分のストレスケア研修やセミナーで実践して教えてはいないのですが、
私の講師仲間である日本快眠協会の今枝昌子先生が「大切な眠りがこころの
健康を守る。オンとオフが切り替えられる眠れるカラダづくりのために・・・」というコンセプトで「快眠セラピー」を実施されていて、その中でアロマテラピーを勧めてみえるので、今回ご紹介させていただきます。
アロマは芳香(香り)、テラピーは治療のことで、アロマテラピーは植物が
持つ香りを抽出した精油(エッセンシャルオイル)を利用する自然療法です。
精油の香りをかぐと、その香りの分子は鼻を通じて脳に伝わります。香りが
脳に作用することによって、さまざまな生理反応や心理反応が起きて、ここ
ろと体の機能を調整するのです。
市販のアロマポットの上部のカップにお湯を注いで、そこに精油を数滴垂ら
します。そして、下から熱を与えて揮発させます。アロマポットがなければ、
家にあるカップや小皿にお湯を注ぐ方法でもいいですし、ハンカチやティッ
シュに精油を染みこませて、その香りを浴びるだけでも十分です。
次にお勧めなのが、精油を入浴剤として使う方法です。体温より少し熱めのお湯にバスソルトなどと一緒に精油を数滴加えます。精油はお湯に溶けにくいので、よくかき混ぜましょう。入浴効果も加わってたまったストレスが解消できるでしょう。
また、アロマテラピーには鼻からだけでなく、皮膚から体内に吸収させる方
法もあります。よく聞く「アロマトリートメント」は、その手法のひとつですが、精油を植物油(キャリアオイル)で薄めたり、市販のモイスチャージェル(美容ジェル)に加えたりして、皮膚にアロマトリートメントを施すことによって、精油の芳香成分が皮膚の表皮を通過し、毛細血管やリンパ管に入っていきます。そして、血流に乗った芳香成分は全身へと運ばれていき、
感情や自律神経のコントロールに作用します。
なお、アロマトリートメントは精油や、植物油の成分が直接肌に触れるので
注意が必要です。精油の中には健康被害を生じる成分や合成保存料が添加されたものが販売されていることもあります。精油やそれを薄める植物油は100%天然のものがお勧めです。また、外傷がある場合や病気、そして妊娠中などは必ず専門家に相談してから使用するようにしましょう。
みなさんも香りのパワーを利用して気持ちのオンとオフを切り替えてみまし
ょう。朝一番に気分が乗らないときは、リフレッシュのためにペパーミントやグレープフルーツなどの「オンの香り」を、一日の仕事が終わって家でリラックスしたいときはラベンダーやローズウッドなどの「オフの香り」を使うのがお勧めです。お好みの精油を手に入れて、使い分けてみてください。
アロマテラピーで自分の感情や自律神経の働きをコントロールし、毎日快適
な眠りを得ることで、ストレスフリーな生活を送りましょう(終)。
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