安全JAWSちゃんのハートLetter
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ハートLetterは産業カウンセラーキティこうぞうがお届けします。
ねずみの嫁入り

私が子供のころに「20日で大人になるのはハツカネズミ。では、3ヶ月で大人になるねずみは?」というなぞなぞがありました。答えは「ミッキーマウス」です。ということで、今回はねずみのお話です。

子供のころに毎週見ていたテレビ番組に「まんが日本昔ばなし」があります
やさしい漫画のタッチに加え、常田富士男さんと市原悦子さんの独特のナレーションが好きで、夢中になって見ていました。最近は、動画サイトでお気
に入りの昔話を見直したり、カラオケで番組の主題歌を歌ったりして、子供
のころを思い出しています。また、昔話には様々な教訓や示唆を与えてくれ
る話が多く、大人になってから見てみると、これらの昔話に学んだ道徳観や
倫理観が自然に身についていることに気がつきます。今回は、昔話「ねずみ
の嫁入り」について、そのストーリーと私が学んだことを紹介します。

あるところに、とっても仲の良いネズミの若者(チョロ吉)と娘(チュウ子) がおりました。この二人は、将来結婚しようと誓い合っていました。この娘のおやじ様は村の庄屋さまでした。おやじ様は娘の想いとは裏腹に、年頃になった娘を、この世の中で一番強い「太陽様」に貰ってもらうと発表しました。これを聞いて、二人は悲しみました。そして、その二人の会話を立ち聞きしていた村の年寄ネズミは庄屋さんに言います。「太陽様より太陽をすっぽり包んでしまうお雲様が強い、お雲様より雲を飛ばしてしまうお風様が強い、お風様より風にもビクともしないお壁様が強い。そのお壁様に穴をあけてしまう、おら達ネズミが一番強い。だから娘の婿は、この村の若者が一番良い」と。これを聞いたおやじ様はなるほどと納得し、ネズミの中から一番強い者を決めることにしました。こうして、この村一番の力持ちのチュン太と、チュン子の恋人であるチョロ吉が試合をすることになりました。予想通り、チョロ吉は顔の形が変わるくらいボコボコに殴られるも、絶対に降参しません。これを見ていたおやじ様は、チョロ吉の根性を認め、婿はチョロ吉にと決めました。この世で一番強いのは、好きあった者同士。チョロ吉とチュウ子は末永く幸せに暮らしました。めでたし、めでたし。

私は、この昔話にも多くの教訓や示唆を与えてもらいました。まずは、「幸
せは身近にあるから、周りをよく見ることが大切である」ということです。
また、「欲張らず身の丈に合った生活がいい」、「理想を高く持つことはいいことだが、相手に対して求めすぎてはいけない」ということも教えられました。他の人を超えるような自分の幸せを求めたり、他の人に自分の理想を押しつけたりして、それが自分の思い通りにいかなくてストレスをため込んでいる人は多い様な気がします。ストレスを軽減するためにも、このような昔話を動画で見たり、本で読んだりして、自分の考え方を見直してはいかが
でしょうか。

そして、「ねずみの嫁入り」には次のような示唆もあるのではないでしょうか。この昔話を現代に当てはめてみると、擬人化されたねずみ、つまり人間 が太陽や雲や風などの自然やそれらの自然に対応するためにつくられた壁、 つまり建物やダムや堤防などの建造物より強いということになります。しかし最近では、数々の自然現象が人間のつくった建造物を壊し、それらをつくった人間が犠牲になることが増えています。今、「ねずみの嫁入り」から学ぶべきことは「人間は自然より強く、自由にコントロールできる」などとい
う「おごり」を捨てて、「太陽や雲や風などの自然は人間よりも強い」とい
うことをしっかり理解し、いかに自然と共生していくかを今一度考える時期
に来ていると私は思います(終)。

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