安全JAWSちゃんのハートLetter
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ハートLetterは産業カウンセラーキティこうぞうがお届けします。
感謝の言葉の大切さを知る

私がメンタルヘルス研修やハラスメント防止研修でいつも受講者に伝えているのは「感謝の気持ちを持って働きましょう」ということです。「ありがた
いな〜」という感謝の気持ちを持つことで、ストレスになりうる「出来事や
人」に対して、あまりストレスを感じなくなる効果があることを伝えます。
そして、「感謝の気持ちを持つためには、感謝の言葉を意識して使うことが
大切です」と話します。人間は言葉で考え方や気分が変わるので、「感謝の
言葉を意識的に使っていると、感謝の気持ちが生まれて、仕事でストレスを
感じにくくなります」と話します。

先日、この話を裏付けるような内容が載っている本と出会いました。小林正
観氏の著書「ありがとうの神様」(ダイヤモンド社)です。小林正観氏は故
人ですが、ご健在のときは全国各地で年間約300回にものぼる講演を行っていた方で、多数の著書も発表されています。内容は以下の通りです。

朝起きて、ベッドから降りる前に「ありがとう、ありがとう、ありがとう、 ありがとう・・・」と、100回言ったとします。すると脳は、「不安定な状態」になります。「ありがとう」を言いたくなるような現象が起きているわけではないのに、「どうして『ありがとう』なのか」がわからないからです。そして、合理的な理由や説明がないと不安定になって、「ありがとう」 の理由を探そうとします。
「天気がよくて、嬉しい」
「朝ご飯がおいしそうで、嬉しい」
「お味噌汁に豆腐が入っていて、嬉しい」
と、目にするものに対して、「ありがとう探し」をはじめます。どうやら、 先に「ありがとう」を100個言っておくと、「ありがとう」の現象がないのに、現象を一所懸命探そうとするようです。・・・(中略)・・・反対に、 朝起きたときに、「つらい」「悲しい」「苦しい」「つまらない」「嫌だ」 と20回言ったとします。すると脳は今度も合理的な理由を探しはじめます。
「どうして今日は雲ひとつないんだ。暑くてしかたがないじゃないか」
「頼んでもいないのに、朝ご飯が用意されている」
「お味噌汁の具はどうして豆腐なんだ。ワカメのほうがいい」
と、あらゆるものに「つらい」「悲しい」「苦しい」「つまらない」「嫌だ」
の原因探しがはじまります。「ありがとう」と言いたくなるような現象が起きていなくても、まず、「ありがとう」を言う。すると、「ありがとう」を言った数だけ、「ありがとう」の原因を探し出すことになります。ということは、1日中「ありがとう」と言っていれば、脳はずっと「ありがとう探し」をするわけですから、「ありがとう」に満ちあふれながら1日を終えることができるでしょう。

この他にも、この本には感謝の大切さを身につけるための多くの格言が掲載されています。私が感動したいくつかの言葉を紹介します。

<人間は人に迷惑をかけながらでしか生きていけない存在である>
「自分は無力でたいしたものではないのだから、人に迷惑をかけながらでし
か生きられない」と思い、まわりのすべてに感謝し、手を合わせて「ありがとう」と言いながら生きていくほうが、ずっとラクに生きられるような気がします。
<「ありがとう」をたくさん言われると食べものも人格もマイルドに変わる>
苦みのあるチョコレートに「ありがとう」と100回声をかけると、苦みがマイルドになっていました。このように、200種類の食べもので実験をしたところ、「マイルド」というキーワードに行きついたそうです。「ありがとう」という言葉にたくさん触れたものは、どんどん「マイルド」になって いったそうです。
<神社は「お願いをするところ」ではなく「ありがとう」を伝えるところ>
「祈り」も「願い」も「夢や希望を叶えてもらいたいとき」に使う言葉ではありません。どちらも、神や仏に対して、「すでに、たくさんの恵みをいただいています。ありがとうございます」と感謝を伝える言葉なのです。

もっと多くの「感謝の言葉の効用」が知りたいと思う方は是非この本をお読
みください(終)。

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