今回は、私が以前に観た映画の中でお勧めの映画を４本ご紹介します。まずは、私が今まで観た中で結末に一番驚いたミステリー映画「シックス・センス」です。主演は映画「ダイ・ハード」シリーズで有名なブルース・ウィルスですが、注目は特殊な能力を持った子供役を演じ、この映画でアカデミー助男優賞にノミネートされたハーレイ・ジョエル・オスメントです。次のお勧めは、私がお気に入りの竜巻パニック映画「ツイスター」です。主演は女優のヘレン・ハントで、彼女はのちに映画「恋愛小説家」でアカデミー主演女優賞にいています。次にご紹介するのが、人質交渉人の二人の男が人質犯と彼に指名された交渉人という立場で対決するアクション映画「交渉人」です。主演映画「アメリカン・ビューティー」でアカデミー主演男優賞を受賞したケヴィン・スペイシーです。

そして、最後にご紹介するのが、映画「ペイ・フォワード　可能の王国」です。ペイ・フォワードを直訳すると「先に払う」ですが、この映画では「次へ渡せ」の意味です。出演者は先ほどご紹介した映画「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメント、映画「ツイスター」のヘレン・ハント、映画「交渉人」のケヴィン・スペイシーです。この映画の主人公はハーレイ・ジョエル・オスメントが演じる１１歳のトレバー少年です。彼の母アーリーンはヘレン・ハントが演じます。アーリーンはアルコール依存症で、同じくアルコール依存症で家内暴力を振る父は家を出ています。ある日、トレバー少年は学校の社会科授業でケヴィン・スペイシーが演じるシモネット先生からある課題を出されました。それは「世界を変えるためには何をすればいいか？」という課題です

トレバー少年はあることを考えだしました。それが、「ペイ・フォワード」。
ひとりが３人に何か親切なことをします。親切なことをされた３人が、また他の３人に親切なことをするという連鎖をつくるということです。それによって、善意の連鎖が起き、世界中が変わるというものです。まず、トレバーは薬物中毒で失業しているホームレスのジュリーを助けようと、自分の家に招きいれてお金を渡します。ジュリーはそのお金で服と靴を買って就職します。ところが、後日ジュリーは再び薬物に手を出してしまいます。トレバーが親切をしようとした２人目はシモネット先生。シモネット先生は顔に火傷があるため恋愛に億劫になっていましたが、トレバーが自分の母親アーリーンとくっつけようと画策します。シモネット先生とアーリーンは結ばれますが、２人が一緒にいるところにアルコール依存症の父が帰ってきて、うまくいきません。そして、親切なことをした３人目はいじめられている親友です。いじめられている親友を助けようと救済に入るトレバーですが、信じられない結果になってしまいます。トレバーが実施した親切はどれもうまくいきませんが、トレパーの知らないところで次々と「善意の連鎖」が起きていました・・・このあとは映画をご覧ください。

恩をもらい、恩を返すことを「恩返し」といいます。そして、もらった恩をもらった人ではなく他の人へ送っていくことを「恩送り」といいます。たとえば、東日本大震災で被災した人が、「私たちも多くの人に助けられたから」と熊本地震や西日本豪雨などの被災地に支援の手を差し伸べることも恩送りの典型的な例です。そして、この親切の連鎖をつくるという「ペイ・フォワード」は、まさに恩送りそのものなのです。

昔話「つるの恩返し」では、助けられたつるは自らの羽で作った反物でおじ いさんに恩を返します。基本的に恩を与えてくれた人に恩をお返しする１対 １のやり取りが恩返しです。つまり、恩返しは恩を与えた人と恩を返す人の ２人の間で完結してしまいますが、恩送りは人から人へと無限に広がっていく可能性があります。最初の１人が３人に送った恩はそれぞれ３人に恩送りをすると９人になります。９人の恩は２７人に恩送りされ、２７人の恩は８１人に恩送りされ、そしてこれが１０回繰り返されると、恩送りは５９０４９人に広がっていきます。また、人に助けてもらったり親切にしてもらった恩を「いつか相手に返したい」と思ってはいるものの、なかなか恩返しを実現できずにいる場合でも、恩送りなら「今すぐに」実行できます。
さらに、恩をもらった人がこの世から旅立ってしまって恩返しができない場 合でも、恩送りならできます。

恩をもらったのに知らないふりをする人のことを「恩知らずの人」といいます。みなさんは「恩知らずの人」になりたいですか、それとも「恩送りの人」になりたいですか。みなさんが関わる職場や家庭や社会で、みなさんが恩送りの人になることで、みなさんの恩送りを受け取った相手が同じように何人もの人に恩送りのバトンを無限につながっていくことで、きっと良い人間関係の輪が広がっていくことになるでしょう（終）。