安全JAWSちゃんのハートLetter
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サーカディアンリズム

 

「私たちの身体には「体内時計」という活動と休息のリズムがあります。朝、太陽が昇ると身体が活動的になり、太陽が沈む夜になると休息モードになります。これは、自律神経をはじめとした多くの身体の機能が1日のリズムを持っているからです。人間のこの「体内時計」のリズムを「サーカディアンリズム」といいます。「サーカディアン」とはラテン語で「およそ1日」という意味ですので、サーカディアンリズムとは、「およそ1日の(概日)リズム」ということです。このリズムが人間をコントロールしているために、人は朝起き、夜寝るのです。夜更かしや不規則な食事、運動不足、エアコンを使用して一定の温度調整など、これらは身体のリズムを乱す生活習慣になりがちです。サーカディアンリズムを無視した生活は自律
神経やホルモンのバランスを乱し、人間の身体を不調を起こしやすい状態にします。そして、免疫が低下したり、肌のトラブルの原因にもなるのです

また、サーカディアンリズムは私たちの「睡眠」にも深く関わっています。仮にあなたにとっての最適な睡眠時間が6時間だとしましょう。もしも、睡眠がただの「休息」であるのなら、その日の好きな時間や場面で睡眠を取っていればいいでしょう。ところが、真の睡眠とは「一日のうち、どこかで6時間睡眠をとればいい」というわけではありません。体内時計に逆らって、昼間にどれだけ睡眠という活動を行おうと、きちんと効果を出してくれません。サーカディアンリズムは太陽の光などの自然のリズム、睡眠覚醒などの生体リズム、食事や仕事などの社会的リズムの3つが揃ってはじめて常に恒常性が保たれているのです。海外旅行の時差ボケがいい例です。睡眠は休息であると同時に、サーカディアンリズムに合わせた「活動
」でもあるのです

さて、サーカディアンリズムは人の24時間のリズムをコントロールしていますが、実はサーカディアンリズムは約25時間周期で動いています。そうすると、1日に1時間のズレが生じてきます。つまり、それが重なってくると、朝眠くなって、夜起きるような現象も起こってくるはずです。人がなぜそうならないかというと、朝、太陽の光を浴びることによって25時間周期のリズムを24時間にリセットしているのです。目から太陽光線が入ると、体内時計はその14〜15時間後に眠り入るように準備をします。眠る2時間前くらいに、睡眠を促す「メラトニン」という入眠ホルモンを脳の松果体から分泌し始めるようにセットするのです。太陽の光を浴びることで、メラトニンが眠る2時間前に分泌されはじめ、だんだん眠くなりま
す。逆にいうと、太陽光線を浴びておかないと、夜になってもメラトニンが十分に分泌されず、睡眠のリズムが乱れてしまいます。すると、寝つきが悪くなったり、質のよい睡眠が得られなくなってしまうのです。

また、メラトニンには老化防止やうつ病の改善にも効果があるといわれます。「最近、ちょっぴり憂鬱(ゆううつ)な気分」という人は、太陽光線不足を疑ってみる必要がありそうです。嫌なことがあって、気分が落ち込んだ夜は「ふて寝」でもいいから早くベッドに入り、翌日早起きして、たっぷり朝日を浴びるといいと思います。定刻出社するサラリーマンは、前日どんなに夜ふかししても、定時には出勤しなければなりません。「フレックス制」が導入されていれば、どんなにラクかと思う人も多いでしょう。ところが、多くのサラリーマンの宿命である定刻出社は、じつは肉体的・精神的に好影響を与えることがわかっています。毎日、同じ時間に起床することで、サーカディアンリズムが一定に保たれ、それが「うつ」な気分を
予防してくれるのです

たとえ前の晩、午前3時に寝ても、いつも8時に起きているのなら、思い切ってベッドから出てたっぷり朝日を浴びるようにしてみましょう。その日は眠いかもしれませんが、サーカディアンリズムはリセットされ、身体の調子を良い状態に保つことになります。「夜型」を実践していて、体調がすぐれない方は一度試してみてください。

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