バジルはシソ科に属するインド原産のハーブです。
バジルは英語で「Basil」と書きますが、イタリア語では「Bacillico」と書くので、バジル、バジリコどちらも同じです
原産のインドでは、インドでは5000年以上前から栽培されており、古くからホーリーバジルがトゥルシという名で、聖なる植物、不老不死の象徴として、儀式やアーユルヴェーダ(伝統医学)で使われてきました。
ヨーロッパへは、アレクサンダー大王の東方遠征によりインドから持ち帰られたと伝えられています。バジルの語源は、古代ギシリャ語の「王様」を意味するバシレウスに由来し、主に薬用として利用されました。
日本へは江戸時代に渡来し、バジルの種は、水にひたすと表面がゼリー状に変わりますが、これを用いて目に入ったごみなどを取り除いたことから、「目の箒=メボウキ」との名がつけられています。
バジルの
葉の形や色、香りが異なる様々な種類がありますが、代表的な品種であるスィートバジルは甘くさわやかで深みのある香りが特徴です。
古来より消毒用にも使用されてきたバジルには、優れた殺菌・抗菌作用があります。これは香り成分シオネールやオイゲノールの働きによるもので、風邪や気管支炎など細菌性の疾患の予防として有効です。
バジルはとても育てやすいハーブの一つです。葉っぱが8‐10枚ほどに成長したら、根本から葉っぱを4枚分ほど残して、幹にあたる真ん中の部分を切ってしまます(「摘芯栽培(てきしんさいばい)」)
そのまま放っておくと、切ったところの下から二手に分かれてまた伸びていきます。このように、茎の部分を倍にすることができます。この作業を3‐4回繰り返すことで、普通に育てるよりもバジルを増やして栽培できます。夏から晩秋までたっぷり収穫を楽しむことができます。
バジルは、サラダのようにして食べるカプレーゼ、パスタと絡めるジェノベーゼ、ごはんと一緒にカパオライス、ピザはマルゲリータとメニューもたくさんあります。
乾燥バジルは、トーストにチーズやトマトと一緒に焼いたり、マリネ液に入れるなどワンランク上の味が楽しめます。
|
バジルの栄養の特徴は体内でビタミンAに変化するβ−カロテンやビタミンE、カルシウムが多いことです。とくに、βカロテンが豊富に含まれています。このβカロテンには、老化原因となる活性酵素(体内の錆び)を抑制する抗酸化作用もあり、アンチエイジングとしての効果も期待できます。
バジルは生葉で食べるほか、パスタやピザなど加熱して食べることがあり、その時の栄養成分の変化は調理法によって違いがでてしまいます。
たとえば油で炒めるとか蒸すという調理方で利用するとβ−カロテンやビタミンEはさらに増えますが、バジルは茹でると栄養成分は減ってしまいます。
バジルの栄養成分だけでなく、香りの成分にも健康効果があります。
バジルの香りの成分はスーッとした清涼感をだすシネオール、フローラルな香りのリナロール、重圧な香りでどことなくクローブに似た香りのするオイゲノールなどが主な香りの成分です。これらの香り成分は、
●心への働き
意識をクリアにし、集中力を高める
自律神経のバランスをととのえる
無気力感や不安をとりのぞきストレスをやわらげる
●体への働き
胃腸炎や乗り物酔いなど、消化器系の不調をやわらげる
関節痛や頭痛の痛みをやわらげる
●皮膚への働き
虫さされのかゆみを抑える
ストレス性の不調に効果があります。これから暑い夏をのりこえるにも役だってくれそうです。 |
|
■バジルに含まれる健康成分 |
<βカロテン> 免疫力を高める/目の健康向上/
<シオネール> 殺菌作用/食欲増進/
<ビタミンE> 抗酸化作用/血管の強化/心筋梗塞予防
<ビタミンK> 骨粗鬆症予防/
|
|
|
|
|