小豆の歴史は古く、かなり昔からありました。しかし、食べるというより、薬用として使われていたようです。
小豆は、中国、朝鮮半島、ヒマラヤの広範囲にわたって、古くから分布していたことが近年明らかになりました。日本では紀元前4000年頃の遺跡や弥生時代の遺跡から、この小豆の祖先が出土しています。
小豆のもつ栄養価の高さは古くから知られており、現在でも薬膳には欠かせません。中国では、煮汁を解毒剤として使用していました。
小豆の用途は薬用としてだけではなく、赤い色が、太陽や火、血といった「生命」を象徴すると考えられ、呪術的(じゅじゅつてき)な力を持った特別な食材として使われるようになりました小豆の赤色は魔除けとされ、また栄養価も高かったことから薬として珍重されていました。
日本でも昔から祝の席で用いられており、現在でも小豆を使った赤飯や小豆粥などが残っています。
お赤飯ですが、ささげを使うのは関東の風習だそうです。関西では小豆を使うのがほとんどです。関東では武家社会の名残か、
小豆は煮ると腹割れするので切腹を連想させるため、おめでたい席に出されるお赤飯には嫌がられたそうです。
あずきといえばあんこですが、小豆を甘く炊いて食べるようになったのは日本に伝わってだいぶ経ってからのことです。あんことして伝わったのは、紀元607年推古天皇時代と言われています。
団喜(だんき)いう名前で、今の肉まんのような形の野菜や肉を詰めたものが、遣隋使によって伝えられたようです。
その後、僧侶たちによって塩味の小豆あんが薬膳に用いられてきました。
今のような甘い小豆あんが用いられるようになったのは、室町時代から安土桃山時代になって、茶道が広まってからと言われています。
豆類には、ご飯に足りないアミノ酸のリシン(リジン)が非常に豊富に含まれています。
昔の日本の文化では、小豆とご飯を組み合わせて食べることによって、お肉を食べなくても必要なアミノ酸やタンパク質を吸収することができます。最近多いビーガン食にアミノ酸接種ということでも大きな役割をしてくれます。
食くすとば別に、昔から日本の遊びではお手玉ですが、小豆を入れています。空間ができずに手にフィットしやすいからです。
また、あずきを温めて目の疲れをとる商品があります。小豆に含まれる水分は、温められると蒸気になって小豆に閉じ込められ、小さな「カイロ」のような状態なります。繰り返し利用が可能で、非常にエコロジーでもあります。
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小豆の栄養成分で強調したいのがポリフェノールと食物繊維です。
知られているのは赤ワインにはポリフェノールが多く入っていることから、他の飲料に比べるとポリフェ―ノールの効果が高く健康によいとされています。なんど小豆には一般的な赤ワインの1.5倍から2倍くらいポリフェノールが入ています。ポリフェノールには、抗酸化のアンチエイジング効果、メタボリックシンドロームの予防効果、ダイエット効果などがあります。
その次に挙げられるのが食物繊維ですね。野菜を毎日食べるのは大切なことですが、野菜で必要な食物繊維を摂ろうとすると莫大な量を食べなければいけなくなってしまいます。小豆に含まれている食物繊維は、野菜の中では多いと言われているごぼうの4倍ぐらい入っています。なので、同じ食物繊維を摂取しようと考えた時には非常に効率的に摂れるというところが大きなところです。
炭水化物が吸収される時には、糖質成分がブドウ糖に変り、それをエネルギーとして燃焼する時に必要なのがビタミンB1です。このビタミンB1が、植物性の食品の中で小豆には多く含まれています。
一般的には豚のバラ肉にビタミン B1が多く含まれていますが、それに匹敵するビタミンB1が小豆にも入っています。
そのため炭水化物が多い食品を食べた時には、同時にビタミン B1をとることによって炭水化物をエネルギーとして燃焼できます。お赤飯はまさに一緒にとれる料理です。 |
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■あずきに含まれる健康成分 |
<ビタミンB1> 炭水化物の代謝をたすけエネルギーをつくる/筋肉機能の正常を保つ
<ポリフェノール> 抗酸化アンチエイリアシング効果/ダイエット効果/
<亜鉛> 酵素を構成/味覚維持(舌の味蕾)/貧血予防
<サポニン> 利尿効果/殺菌・抗菌効果/免疫力向上/中性脂肪の低下
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