真っ白でか細い麺に、さっぱりとしたのどごしのそうめん」は、日本の夏の風物詩。
お中元の定番の贈り物でもあります。7月7日は「七夕」ですが、「そうめんの日」です。伝統食である「そうめん」をもっと知ってほしいという思いから昭和57年に「7月7日は「そうめんの日」とさだめたそうです。
「そうめん」とは、小麦粉に水と塩を加えてこねた種に植物油を塗って、細く引き伸ばして、天日干しにした極細の麺です。雪や雨が少ない気候や、晴れの日の多い冬の時期がそうめん作りに適しているとされています。
「そうめん」と「ひやむぎ」の違いはなんでしょうか?
太さにあります。
食品表示基準(消費者庁)では、乾麺の分類分け(機械製麺)を次のようにしています。
● そうめん:直径1.3mm未満
● ひやむぎ:直径1.3mm以上、1.7mm未満
そうめんの歴史は古く、奈良時代に中国から伝わった「索餅(さくべい)」が元とされているそうです。索餅とは、小麦粉と米の粉を練り、それを縄のようにねじったものと考えられています。
その後鎌倉時代〜室町時代頃に、中国から麺を手延べする方法が伝わり「索麺(そうめん)」が誕生し、その後「素麺(そうめん)」になったと言われているそうです。
そして、庶民に普及し始めたのが江戸時代になってから。この頃に水車を動力とした製粉機が生まれ、今の製粉技術の基礎ができたといわれています。江戸時代の料理書には「切り麦」「麦切り」とも書かれており、現在のような切り麺として、親しまれてきました。
麺の中に、ピンクや緑など色の付いた麺が入っているのを見かけます。
これは、もともと、違いがわかりづらい「そうめんと冷麦(ひやむぎ)」を区別するために、「冷麦(ひやむぎ)」の方だけに色付き麺を入れたそうです。色のついた麺を奪い合って食べたこともあるのではないでしょうか。
見た目にも楽しんでもらいたいということで、メーカーによっては、今はそうめんに色付き麺をいれるところや、色付き麺自体を販売するところもあるようです。
三大そうめんと言われるところがあります。
播州そうめん 兵庫県の「播州(ばんしゅう)そうめん」は、国内生産高第一位の「索麺(そうめん)」の産地です。ブランド「揖保乃糸(いぼのいと)」で有名
三輪そうめん 奈良県の「三輪そうめん」は「索麺(そうめん)」発祥の地ともいわれ、その歴史は1200年近くまで遡るそう。多くの産地は三輪そうめんの流れを汲んでいるともいわれています。強いコシとのどごしの良さが特徴です
島原そうめん 長崎県の「島原そうめん」は、全国の手延べそうめんの約30%を誇るトップブランド。時間をかけて丁寧に作られ、茹で伸びしにくく、しっかりとしたコシと歯応えが特徴です。
こちらは代わりだねとして、
五色そうめん 愛媛県の「五色そうめん」は、江戸時代に生み出された五色そうめんが有名。白色と、赤(梅肉)、黄(蜜柑)、緑(抹茶)、茶(もち麦)の天然色素で色付けをされています。
この夏、いろいろなそうめんを楽しんでください。
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そうめんの成分の中で大部分を占めているのは、炭水化物です。そして、炭水化物だけでなく、身体の調子を整えるタンパク質やセレンも含んでいます。また、血液生成を促すモリブデンが含まれているのも特徴的です。
そうめんに含まれているタンパク質は、1食分で約9.5gです。1食に必要なタンパク質の約1/3を摂取できます。タンパク質は、筋力低下を防いだり、基礎代謝が下がらないようにする大切な栄養素です。タンパク質は細胞修復にも役立つ成分です。結果、老化を遅らせるのにも役立ちます。また筋肉量を保つことによって、脂肪燃焼を助ける作用がありますので、ダイエット中には特にタンパク質不足にならないようにすることが必要です。
セレンとはミネラルの一つです。、魚介類、肉類、卵黄に豊富に含まれています。体内では酵素、またタンパク質を構成する働きがある重要なミネラルです。
そうめん1人分で、1食分のセレンの摂取目安量がきちんととれます。効能としては、ガン予防、脳血栓・心筋梗塞予防、抗酸化作用、更年期障害の改善などがあります。
モリブデンは、老廃物、糖質、脂質の代謝を助けてくれる成分です。それだけでなく、鉄の利用率を上げ、血液を生成したり、体内の過剰な銅を排出するデトックス効果もあります。そうめん1人前だけで、1食分のモリブデンが摂取できます。
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■そうめんに含まれる健康成分 |
<炭水化物> エネルギー源/体を作る基礎
<タンパク質> 筋肉生成/代謝の向上/エネルギー生成/
<セレン> タンパク質の生成を助ける/抗酸化作用
<モリブデン>老廃物・糖質・脂質代謝促進/デトックス効果
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