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1.5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の定着
5S運動とは、人と物を望ましい姿にしようという、本来あるべき姿を追求する 運動であり、このような姿が実現されると理想的な職場となり、安全衛生のみならず、生産性や良質な仕事なども向上します。
整理 必要なものと不要なものを区別し、不要なものを捨てるとともに、不要なものが置かれていた理由と場所および数量的に検討し、再びそのような状態にならないように管理する。
整頓 必要なものを必要なときに能率良く安全に取り出せる状態にし、これを標準化することにより全体的な能率を向上していく。
清掃 設備、機械、床などを掃き清め、ゴミ、ホコリなどの汚れを排除しながら保守点検を促進し、その結果設備等の稼働率を向上させる。
清潔 「整理、整頓、清掃」された状態を維持し、働きやすい職場環境(人を含む)をつくり、この良い習慣を良質の仕事につなげていく。
気持ちの良い挨拶、ハイという返事、キチンとした後始末や職場規律等『整理、整頓、清掃、清潔』を実行する中で会得したものに基づき基本に正しい 作業ルールをつくり、これを守るという体質をつくる。
服装や保護具は清潔なものを着用
職場における安全と衛生を確保するには機械設備を含む作業環境そのものの安全化・無害化をはかることが基本であることはいうまでもありませんが、現実に完璧を期すということは非常に困難であります。5S運動と並んで服装は安全衛生の基本です。作業服、安全靴、帽子をきちんと身につけることによって身も心も引き締め、作業者の安全と衛生を守ることになります。

◆正しい服装とは

  • (1)作業服は、汚れや破れのないさっぱりとしたものを着用し、きちんと帽子をかぶる。
  • (2)首手ぬぐい、腰タオルはしない。
  • (3)袖じまり、裾じまりをきちんとする。
  • (4)安全靴を着用する。
  • (5)ピット作業など、車体の下に潜って行う作業では、必ずヘルメットをかぶる。
  • (6)バッテリーの取り扱いについては、電解液に希硫酸が使われていますので皮膚につかないようにゴム製などの手袋、前掛け、長靴などの保護衣を着用する。
  • (7)シンナーや石油ベンジンなどの有機溶剤を使用する場合は、蒸気となって鼻や口から体内に入るので、必ず専用の防毒マスク、ゴム手袋などの保護具を着用する。
  • (8)グラインダー作業のときは、必ずゴーグル型の保護眼鏡や保護面を着用する。また、研削粉が多く出る場合には防塵マスクを着用する。
◆正しい服装とは
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2.安全衛生管理3原則(整理整頓・点検整備・標準作業)
整理整頓 点検整備 標準作業
整理整頓
1.作業能率を十分考慮する
  • (1)工具を収納する棚などは、すぐ見つけられるように、しまう場所を決め、分かりやすいように種類と数を表示する。
  • (2)作業の前後には、工具に大きなキズ、ヒビ割れマクレなどの損傷がないことを確認する。
  • (3)工具に損傷が見つかったときは、速やかに修理するか、新しいものに交換する。
  • (4)工具はすぐ取れるように最短距離の所に置く。
  • (5)作業するときには、必要な工具だけを持ち出し、作業終了後はすぐに決められた場所にしまう。
  • (6)作業場や通路に使わない工具類を置きっ放しにしない。
2.通路・作業床はいつもきれいにしておく
  • (1)通路や作業場の床面は、凸凹がないようにし、洗浄液や油などがこぼれたらすぐふき取るようにして、つまずいたり、滑ったりしないようにする。
  • (2)通路は、工具や材料を持って安全に通れるよう、白線などではっきりと表示し、不必要な材料や作業用具は、置きっぱなしにしないようにする。
3.採光に気をつけ、必要に応じて照明をつける
  • (1)室内の採光にはなるべく自然光を利用し、人工光源による採光には全体照明と局所照明を適当に組み合わせる。
  • (2)十分に明るく、明るさにムラがない職場では疲れも少なく、能率よく仕事を進めることができるので、電球や蛍光灯がほこりをかぶっていたら直ちにふき取り、きれいにしておく。
作業区分に応じた法定の照度 VDT作業の照度に関する厚生労働省指針
精密な作業 300ルックス以上 ディスプレイ画面 500ルックス以下
普通の作業 150ルックス以上 書類及びキーボード 300ルックス以上
粗な作業 70ルックス以上  
4.温熱環境の管理
  • (1)直接外気に向かって開放できる窓や戸口などから新鮮な空気を取り入れたり、浄化した空気を適当な温湿度にして作業場所へ送り込む。
  • (2)高熱場所や低温場所をなるべく小さく囲い込み、その他の作業場所にふく射熱や不快な温冷気を与えないように断熱の措置をする。
  • (3)暑熱場所には冷風装置や食塩や飲料水を備え、寒冷場所では防寒服を着用させる。
暑熱場所には冷風装置や食塩や飲料水を備え、寒冷場所では防寒服を着用させる
5.騒音環境の管理
  • (1)騒音や振動の場所を把握し、その質や量を測定して評価し、騒音に関する管理区分等を明記し、発生源をなくしたり、隔離するなど措置をとる。
  • (2)騒音や振動が人に伝わることを防止するための装置や保護具の点検整備に努める。
6.担当区域を定め、それぞれ責任者を決めておく
  • (1)共同で使う更衣室、休憩所、作業区域、設備や器具、備品などは点検当番を決めるなどの工夫をする。
  • (2)職場内の遊休設備等の置き場が乱雑にならないよう、置いてある理由、期間などを、はっきりさせ全員に周知する。
  • (3)職場で不要なものは上司の決裁を積極的に仰ぐ。
7.正しい置き場所と置き方を決めておく
  • (1)道具や工具類の置き場、置き方なども、みんなの意見を聞いて決める。
  • (2)やむを得ず通路などに置く場合は、関係部署と調整して合意の上、その旨を表示する。
8.決めごと(ルール)は必ず守る
  • (1)決めたことが守られていないときは、勇気を持って、すぐ注意是正させる。
  • (2)守れない、守りにくい要因があれば、その原因を調べ、守りやすく改善する。
9.乱雑になっている職場は、どんどん指導して整理整頓を習慣化させる
  • (1)率先して行動し、部下を指導する。
  • (2)躾を狙いとした取り組みをする。
10.標識と表示等の適正化
  • (1)危険有害物等の貯蔵、保管するときは貯蔵施設に品名や取り扱い要領を明示する。
  • (2)日本語では理解しがたい外国人がいる職場ではその人たちが理解できるように外国語で表記する。
点検整備
点検整備の目的は、点検によって機械、設備、作業環境の不安全状態や作業者の不安全な行動を発見し、それらを発生させている原因を究明した後、整備し、是正することによって事前に災害の防止を図り、常に安全で生産性の高い作業を行うことである。
点検には下記のように、いろいろな方法があるが、重要なことは、それぞれの担当者が役割と責任を持って点検整備を行うことである。
1.作業前の点検(始業点検)
機械や設備などの各部分の外観上の亀裂や損傷の有無、ボルトやナットのゆるみ、注油状態、異常音や異常発熱の有無、安全装置の機能などマニュアルに従って点検する。
2.職場パトロールによる点検
定期的な安全パトロールの実施。
3.予防保全のための点検
機械や設備について一定の期限を定め、専門の検査員に定期検査をしてもらう。そして点検や検査の結果は、記録に残すとともに、故障や異常を見つけたら直ちに修理してもらうこと。
標準作業
作業者の不安全な行動を取り除くためには、行動面の安全対策が重要です。そのためには、動作そのものを簡単にし、個々の作業について『正しい動作の方法と順序』を決めて、それを標準化すること、すなわち標準作業を設定することが最も重要なこととなります。同時に、このことは安全を確保するばかりではなく、良質な仕事、作業性、生産性をも満たすことにつながるものです。安全はあくまでも「良い作業」=標準作業を徹底することによって確保されるということを理解することが大切です。「良い作業」=標準作業を徹底することによって確保される。
>>作業管理・標準作業とは
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3.新規の機械等に関する事前の安全衛生評価
新規に導入される機械等について、事前に安全衛生上の評価ができる体制をつくる。 新規機械整備等については仕様書や取り扱い説明書を、新規導入化学物質については、安全データシート(MSDS)等の情報を取り寄せ、書類審査する人、もしくは組織をきめ、審査の結果はさらに安全衛生委員会に報告して第2次の審査を受けなければなりません。

新規設備等の危険有害度確認には、リスクアセスメント手法を用います。

危険性又は有害性等の調査等に関する指針
(厚生労働省)
平成18年3月30日 PDF
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4.化学物質等の表示
爆発性の物、発火性の物、引火性の物、労働者に危険を生ずるおそれのある物又は、ベンゼン、ベンゼンを含有する製剤等の労働者に健康障害を生ずるおそれのある危険有害性の各項目ごとに分類を行う。その分類に基づいて、絵表示や注意喚起語等を含むラベルや化学物質等の安全データ(MSDS)を作成・交付すること等を内容とする「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」が国際連合から勧告として公表されました。

このGHS国連勧告を踏まえ、表示・文書交付制度を改善した改正労働安全法が平成18年12月1日に施行されました。

化学物質等の表示
化学物質等の表示・文書交付制度のあらまし
(厚生労働省)
平成18年12月1日 PDF
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