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快適職場づくり

近年の技術革新の進展やサービス化の進展に伴い労働環境や就業規則が変化していることで、職場の人の疲労やストレスを伴う問題が生じています。また、職場の高齢化や女性の職場進出に伴い、それに対応した職場環境の形成が求められるようになってきました。

快適な職場環境を形成するためには、改善を計画的にかつ継続的に実施するために体制づくりが必要です。
快適職場作り

快適な職場環境を形成することは、労働安全衛生法で事業主の義務とされています。「事業者が講すべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針・平成4年7月)が公示されています。「快適職場づくり」とは、法令等の基準を超えた高い安全衛生基準を自主的な目標として定め、その実現のために継続的に努力することをいいます。これは事業場の安全衛生管理活動の一環として実施される広い意味での職場環境の改善といえます。

このような快適職場づくりを実施している事業場は多数ありますが、事業場が快適職場推進計画の認定を受けた場合には、その事業場が良好な職場環境を目指して努力していることを内外に形として示すことができます。(→都道府県の快適職場推進センターへ)
快適職場指針ポイント
  • (1)作業環境の管理
  • (2)作業方法の改善
  • (3)休憩室の施設の設置・整備
  • (4)洗面所・トイレ等の施設・整備の維持管理
快適職場づくり(安全衛生情報センター) http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/sho/ankz01.htm
快適職場づくり関連パンフレット(中災防) http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/sho/sho_09.html#kitsuen
衛生管理
作業環境が多様化している今日を考えてみた場合、職場内にある有害物質、振動、騒音、粉塵、重量物の取り扱いなど有害要因による職業性疾病を防止することです。
作業環境が空気の汚れ、暑さ・寒さや不十分な照度等により不適切な状態にある場合には、労働者の疲労やストレスを高めることから、温度、照度等が作業に従事する労働者に適した状態に維持管理されるようにすることです。

具体的には、持ち場、立場で作業環境や作業方法の見直し、問題点の改善を積極的に進め、そこで働く人が自ら健康づくりに努力することが大切です。

衛生管理の3本柱
環境管理 作業管理 健康管理
衛生管理の基本は、技術の進歩、作業方法の変化などに対応して、3本柱を自主的に推進することにあります。
環境管理
作業場の環境には物理的・科学的・生物学的ないろいろな因子があって、それらが作業者の身体に有害な作用を及ぼしたり、健康状態を悪化させたりすることがないように作業場の環境から健康障害を起こす原因を除去し、健康を保つようにしたり、良い環境を維持することが環境管理です。
 
1.空気環境
屋内作業場では、空気環境における浮遊粉じんや臭気等について、労働者が不快と感ずることのないよう維持管理されるよう必要な措置を講ずることとし、必要に応じ作業場内における喫煙場所を指定する等の喫煙対策を講ずること。また、浮遊粉じんや臭気等の労働者が不快に感じる因子が適切に管理されたものとするとともに、温度、照度等が作業に従事する労働者に適した状態に維持管理されるようにすること。
2.温熱条件
屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を講ずることが望ましいこと。
3.視環境
作業に適した照度を確保するとともに、視野内に過度な輝度対比や不快なグレアが生じないように必要な措置を講ずること。また、屋内作業場については、採光、色彩環境、光源の性質などにも配慮した措置を講ずることが望ましいこと。
4.音環境
事務所については、外部からの騒音を有効に遮蔽する措置を講ずるとともに、事務所内のOA機器等について低騒音機器の採用等により、低騒音化を図ること。また、事務所を除く屋内作業場についても、作業場内の騒音源となる機械設備について遮音材で覆うこと等により騒音の抑制を図ること。
5.作業空間等
作業空間や通路等の適切な確保を図ること。
作業管理
作業管理は、円滑な仕事を行う上で不可欠なことですが、作業を安全にし、かつ健康的に進めるためには、作業方法・作業姿勢・作業時間・使用保護具等について事前に検討を行い、それを標準作業として作業者に遵守させることが必要です。

それによってその仕事に起因したケガや健康障害の発生を未然に防止することができることになります。

  • (1)腰部、頸部等身体の一部又は全身に大きな負担のかかる不自然な姿勢での作業については、機械設備の改善等により作業方法の改善を図ること。
  • (2)荷物の持ち運び等を行う作業や機械設備の取扱・操作等の作業で相当の筋力を要するものについては、助力装置の導入等により負担の軽減を図ること。
  • (3)高温、多湿や騒音等の場所における作業については、防熱や遮音壁の設置、操作の遠隔化等により負担の軽減を図ること。
  • (4)高い緊張状態の持続が要求される作業や一定の姿勢を長時間持続することを求められる作業等については、緊張を緩和するための機器の導入等により、負担の軽減を図ること。
  • (5)日常用いる機械設備、事務機器や什器等については、識別しやすい文字により適切な表示を行うとともに、作業動作の特性に、適合した操作が行える等作業をしやすい配慮がなされていること。
健康管理

健康管理を進める上で最も大切なことは、心身ともに安定した健康な状態をつくりだすことです。

毎日の生活に生きがいのもてる充実した日々を過ごすためにも、さらには将来に渡る人生設計の基礎づくりのためにも、今や健康づくりは個人や企業にとって重要かつ緊急の課題です。

職場で健康を阻害する要因を見つけだし、取り除くことや健康障害者およびそのおそれのある人を早期に発見して治療や適切な処置をほどこすことです。

作業に従事することによる労働者の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備

相談室等を確保すること
  • (1)疲労やストレスを効果的に癒すことができるように、臥床できる設備を備えた休憩室等を確保すること。
  • (2)多量の発汗や身体の汚れを伴う作業がある場合には、シャワー室等の洗身施設を整備するとともに、常時これを清潔にし、使いやすくしておくこと。
  • (3)職場における疲労やストレス等に関し、相談に応ずることができるよう相談室等を確保すること。
  • (4)場内に労働者向けの運動施設を設置するとともに、敷地内に緑地を設ける等の環境整備を行うことが望ましいこと。
その他
洗面所、トイレ等の労働者の職場生活において必要となる施設・設傭については、清潔で使いやすい状態となるよう維持管理されていること。
  • (1)洗面所、更衣室等の労働者の就業に際し必要となる設備を常時清潔で使いやすくしておくこと。
  • (2)食堂等の食事をすることのできるスペースを確保し、これを清潔に管理しておくこと。
  • (3)労働者の利便に供するよう給湯設備や談話室等を確保することが望ましいこと。
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喫煙対策

喫煙による健康への社会的関心が高まるなかで、労働者の健康確保の観点から、職場での非喫煙者の受動喫煙(自らの意志とは関係なく、環境中のたばこの煙を吸収すること)を防止するための労働衛生上の対策が求められています。

受動喫煙は非喫煙者にストレスや不快感を与えるだけでなく、喫煙者と同じように健康への影響があるといわれています。そうしたことから厚生労働省より、職場における喫煙対策として、「職場における喫煙対策のためのガイドラインについて」PDF(平成15年5月)を定めました。
ガイドラインの主な内容
  • ●適切な喫煙対策の方法としては、全面禁煙と空間分煙があり、空間分煙を中心に対策を講ずる場合を想定したものであること。
  • ●労働者は自ら喫煙対策を推進することが重要であることを認識し、喫煙対策について積極的に意見を述べること。
  • ●衛生委員会等の下に喫煙対策委員会を設置し、喫煙対策を具体的に推進するための合意形成の方法の検討、喫煙対策の具体的進め方、喫煙行動基準等を検討すること。
  • ●喫煙室又は喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という)の設置に当たっては、可能な限り、喫煙室を設置することとし、喫煙室の設置が困難である場合には、喫煙コーナーを設置すること。
  • ●喫煙室等には、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式である喫煙対策機器を設置すること。
    やむ得ない措置として、たばこの煙を除去して屋内に排気する方式である空気清浄装置を設置する場合には、喫煙室等の換気に特段の配慮を行うこと。
自動車総連安全衛生HP健康マネジメント http://www.jaw.or.jp/anzen/management/kenkou4.html
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