初夏の訪れを知らせてくれるさやつきのそら豆。
さやが天を向いて伸びることから「空豆」と名前が付きました。蚕が作る繭の形にも似ていることから「蚕豆」とも呼ばれています。
そら豆は美味しさは3日だけといわれるほど鮮度に味が左右されます。
原産地は南アジアから北アフリカまでの広い範囲で考えられています。チグリス・ユーフラテス川流域では、5000年ほど前から栽培されていたと言われています。ギリシャ・ローマ時代は主食とされていました。紀元前3000年前以降に中国に渡り、日本には、奈良時代にシルクロードを経由して伝来したといわれています。
また、『於多福豆』『一寸豆』、これもそらまめの別名です。そらまめは、豆が大きく、よく見るとお多福さんの顔に似ていることから、あるいは、豆の大きさが一寸(約3センチメートル)ほどであることからこのように呼ばれています。完熟した豆を乾燥豆として、炒り豆、煮豆(おたふく豆)、ふき豆、しょうゆ豆、甘なっとう、和菓子のあんなどに使われています。中国の代表的調味料「豆板醤」は空豆でつくられます。中国では唐辛子をいれずに空豆だけで作ったものを豆板醤と呼ぶようです。
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