今回は巷で流行っている「塩麹」についてです。
「麹」は、平安時代にその存在がわかり、日本古来の発酵食品には欠かせないものです。
菌をつけた穀物によって米麹、豆麹といった種類があり、味噌やしょうゆ、酒を造るのもなくてはならないものです。
麹は、
蒸した米に麹菌を混ぜて全体に行き渡るように手作業で馴染ませていきます。
麹室で寝かせること丸2日、麹の花が咲いたようになれば出来上がりです。さらに「塩麹」にするには、
この米麹に塩と水を混ぜて1-2週間発酵さたものが「塩麹」です。
「三五八(さごはち)漬け」は、甘酒に塩を加えた漬け床のことで、福島県会津地方独特の漬物です。脱穀や精米の際に出る屑米や残ってしまったご飯の再利用に作られたのが始まりといわれています。三五八とは、
塩三、こうじ五、むし米八の割合で混ぜ合わせて作ることから、『三五八』と名づけられたといわれています。
塩麹の元となる麹菌には酵素という物質がたくさん含まれています。酵素の働きは、食材に含まれるでんぷんやたんぱく質を分解し、食材を柔らかくすると同時に、糖、アミノ酸、グルタミン酸を作り出だし、独特の旨みを作り出します。塩麹の甘い香りがありながらも塩辛いという矛盾が、酵素の働きで見事に融合するのです。さらに乳酸菌や酵母の働きでさらなる旨みを加えます。
食材の味を大切にしつつ、けしてでしゃばることなく新しい味を作り出します。味だけでなく、消化吸収されやすくもなります。古来からあるものとはいえ、魔法の調味料ですね。
さらに「しょうゆ麹」というもの流行りつつありそうです。米麹にしょうゆをいれて発酵させたものです。しょうゆの持つビタミンB群と葉酸などのミネラル、リン、マグネシウム、鉄がエネルギー代謝や基礎代謝向上の働きがあります。発酵食品同志のコラボでさらなる美容、健康効果が期待されそうです。味もしょうゆの旨みがプラスされます。おいしくなって、健康にもなるミラクルな食材、ぜひお試しください。 |