「みょうがを食べ過ぎると物忘れがひどくなる」などと昔から言われますが、これは俗説のようです。
釈迦の弟子である周梨槃特(スリハンドク)が、仏道に優れ悟りまで開いた人物だが、どういうわけか、自分の名前を忘れてしまう。ふびんに思った釈迦が、彼の首に名前を書いた札を下げてあげました。
彼は釈迦が書き与えたこの札を大切に、常に背負って精進に励んだと言いいます。
彼の死後、その墓所に生えた草を、名札を荷って修行した槃特に因み『茗荷』と名付けられました。
そこから、茗荷を食べると(槃特のように物忘れ)・・・の話が生まれたようです。
...ということで、物忘れがはげしくなることはありません。ご安心を!
ミョウガは、爽やかな芳香と辛味、独特の風味が特徴です。江戸時代の農書にも、食糧の助けにはならないが、各戸が必ず植えているものと書かれているくらい、昔から好まれる野菜です。以前は中国でも盛んに栽培されたそうですが、今や日本だけで栽培される日本独自の野菜です。
みょうがというものは、決してたくさん食べるものではありません。通常は添える程度です。
しかし、歯ざわりがシャキシャキしていて、さわやかな香りが食欲をそそります。夏バテ防止には一役かってくれます。
みょうがの香りの成分は、アルファピネンという精油成分で、働きとしては、眠気を覚ましたり、発汗を促したり、呼吸や血液の循環を良くしたり、消化を促進したりします。
辛味の成分には、口内炎やのどの痛みを抑える効果があり、熱を静めて、毒を制する働きがあります。
暑い夏を乗り越えるにはうってつけの野菜ですね。ちょっとみょうがが添えてあるだけで涼しさを演出することができます。この夏にはみょうがを食べてみてはいかがですか。
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