1億5000万年以上も前から存在している植物で「生きた化石」といわれています。なんと、恐竜より前生息していたということです。氷河期を迎えてイチョウ属の多くが絶滅しましたが、幸運にも中国の中部地方に生えていた銀杏が暖かい気候によって生き伸び、現在まで銀杏の歴史が続いているのです。
その中国ではイチョウの葉の形が鴨(カモ)の脚に似ているので「鴨脚(ヤアチャオ)」、「ぎんなん」は銀杏(ぎんきょう)の宋音である「ギンアン」が、日本に伝わった際に訛って「イチョウ」「ぎんなん」と呼ばれるようになったのだそうです。
イチョウの木は樹皮のコルク質のおかげで害虫や火災にも強いのが特徴です。 コルク質に水を含んでいるので火事になると木から水を噴出し、 大火の時に水を噴出して周りの人を救ったという水噴きイチョウの伝説が日本各地に残っています。 イチョウが都会の街路樹として好んで利用されるのは、排気ガスなどの大気汚染に強い落葉樹という性質にもよるが、耐火性に優れるというということで、防災面で期待されていることもあるようです。
イチョウには雄の木と雌の木があり、10月頃に雌の木に実がなります。 オレンジ色の実の中の硬い殻に守られた胚乳がぎんなんです。
秋に黄色く熟して落ちる果実を集める時は、素手で果肉を取り扱うとかぶれることがあるため、ゴム手袋などを用いましょう。
◎ぎんなんには中毒物質が含まれ、けいれんなどの中毒が起きることが分かってきました。大人は肝臓に解毒する酵素があるが、幼児では解毒能力が発達していないため中毒しやすいと考えられています。 |