切干大根(切り干し大根)という言葉は、関東地方での呼び名で、関西以西の地域では「千切大根」と呼ばれる大根の加工法です。
大根の歴史は古く、紀元前2500年ごろ エジプトでピラミッド建設に 従事
していた労働者たちが食べていたという記録が残っているようです。
その後、ヨーロッパやアジアへ広まったといわれています。
日本へは中国大陸から伝来し、最古の歴史書『古事記』(712年)に
書かれた仁徳天皇の恋歌の一節にも、女性の腕を例え「大根根白
(オオネネシロ)の白腕」として登場しています。その後、室町時代頃から一般に生産されるようになりました。
江戸時代になってから大根の栽培が盛んになりました。品種改良も進み、漬物や切干にしての保存などが盛んになりました。このころから、切り干し大根が保存食として姿をだしたようです。切り干し大根は飢饉対策としても全国で作られたいたようです。
江戸時代は尾張(愛知県)が代表的な産地でした。明治以降は青首大根が宮崎県に伝わり、同時に切り干し大根の技術もつたわり、今では全国の9割を生産しています。
切り干し大根を作るには、青首大根や練馬大根などが多く使われますが、大根の干し方には、千切りにして干した切干と、蒸してから乾燥させた虫干しとがあります。冬の日光と寒風に晒して干した寒干し大根が良いとされています。
また、3月から4月の青首大根を使用して厚み3〜4ミリの輪切りにして天日で乾燥したものを「花切大根」といいます。薄く切った大根が花びらに似ていることから命名されたようです。こちらも水でもどして食します。
なんと、1kgの大根が50gの干し大根になります。天日で干しているので、ギュッとで甘みが凝縮され、栄養もギュッと詰まっています。
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