梅干しというとまず思い浮かぶのは、日本の伝統的料理法の「 おにぎり」ではないでしょうか?お弁当などに使われ冷めても 美味しい。昔から「梅はその日の難逃れ」「梅は三毒を断つ」といわれるほど強い殺菌作用をもっています。
梅干しは人間の体の中で直接、血や肉となるものではありませんが、体の基幹部分すべてにエネルギーを与え健康にしてくれるものです。ゆえに、梅は医者いらずと言います
さて、梅干しはいつから食べられてきたのでしょうか?
日本に梅が伝わったのは奈良時代以前のようです。中国から伝わってきたとき、梅干としてではなく梅の実を燻製させて作った「鳥梅(うばい)」と呼ばれる薬のようなものとしてだったようです。また、梅は『万葉集』に118首も詠われており、これは桜の約3倍にあたります。いかに梅が生活になじんていたかがわかります。
梅は急速に広まったのは、江戸時代から江戸では大晦日や節分の夜、
梅干に熱いお茶を注いだ「福茶(ふくちゃ)」を飲み、
正月には、黒豆と梅干のおせちとして庶民の生活に入ってきました。
「梅売り」や「梅干売り」が登場するのはこの頃からです。
元禄年間には、紫蘇で着色する手法が開発され、白干だけであった梅干がより一段と色鮮やかに、いっそう食をそそるものになりました。
梅干しの酸っぱさは「クエン酸」で、これは疲労物質の乳酸を蓄積させず、疲労回復に大きく役立ちます。これからの蒸し暑い季節、夏バテ防止や食中毒防止にも威力を発揮してくれそうです。
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