かつおのだしはなぜおいしいと感じるのでしょうか。
味には、甘味、酸味、塩味、苦味、そしてうま味の5つの基本味があります。このうま味は、1908年、東京帝国大学の池田菊苗博士が昆布の主成分であるグルタミン酸を発見。そしていまではUMAMIとして世界で公式使用となりました。
かつおぶしにはイノシン酸がふくまれています。しょうゆやみそは中国から伝わったものですが、かつお節は日本で独自に発展したもので、まさに日本の調味料のルーツといえます。
かつおぶしの歴史をたどってみると、日本最古の書物、古事記(712年)。この中に堅魚(カタウオ)という名前が登場しますが、これが鰹と呼ばれるようになりました。
発祥の地を探ってみると、モルジブ共和国といわれています。世界の中で食習慣として一般に鰹節が認知されているのは、モルジブと日本だけです。生産地としては、中国・フィリピン・インドネシア・台湾などがあるが、日本向けの輸出品として作らています。
『武教全書詳解』によれば、戦国時代にはかつお 節を戦陣に携帯したことが記されています。「是を噛ば性気を助け気分を増し、飢を凌ぐ」とあり、かつお節が兵糧として使われていたことが分かります。これは、「かつおぶし」が「勝男武士」という名前で、縁起のよいものとされていました。日清・日露戦争でも使われました。
かつおぶしの作り方は、かつおの切り身を蒸し煮してから、いぶして乾燥させます。この状態を荒節といい、強い味と香りが特徴です。さらに荒節にカビをつけて、熟成させると枯れ節となります。うま味と成分が多くなり、味と香りがまろやかになります。
日本のだしといえば、かつおぶし。日本の独特のものです。まさに和食にはかかせないものです。
かつおぶしと一言でいっても、用途に合わせて様々な削り方にはいろいろあります。【本節けずり】昔ながらの手削り風。味、香り、歯ごたえがある。 【花けずり】(血合い抜き)血合いを除いた正肉だけを花びら状に削ったもの、家庭でよく使われています。ごく薄いので、短時間でうま味が抽出できます。 【厚けずり】本格的な濃いだしが出るように、肉厚に削ったもの。時間をかけてうま味を抽出する麺つゆなど、濃厚なだしをとるのに向いています。
だしの他にも、料理に振り掛けたり、混ぜたりすれば味もアップします。また、世界一硬い食品としてもしられています。
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