. 蕎麦の歴史は古く、紀元前4〜5千年前にエジプトのナイル河流域 、. 古代バビロニアのユーフラテス・チグリスの両河流域 、 インドのインダス河流域 、. 中国の黄河流域などで、蕎麦の遺跡がみつかっています。日本にはいってきたのは、「縄文時代」といわれています。400年ほど前に「そば切り」が考案され、全国各地の風土や文化に醸成されながら特色を持ったそば(そば切り)やそば料理が全国に根づき、そばは我が国を代表する食文化の一つとなっています。年末にたべる「年越しそば」でもわかるように季語としてもつかわれています。
晦日に食べる「晦日そば」や、大晦日に食べる「年越しそば」の習慣が庶民に定着したのは江戸時代中期と言われています。もともと、金銀細工師が、飛び散った金粉・銀粉を、そば粉を使って集めていたことから、縁起をかついで掛け金の回収前にそばを食べるようになったことから、そのげんかつぎが晦日や大晦日にそばを食べるという習慣として広まったという説があります。
また、引っ越しの挨拶に「そばに参りました」の意味を込めてそばを贈る習慣も江戸時代に起きたとされています。
そば粉を使った世界の料理としては、フランスのガレット、ブルターニュ地方の郷土料理で、そば粉、ミルク、鶏卵、ビールを攪拌したものを、熱してバターを入れた平なべで焼き、中に具を入れて焼いたものです。また、韓国の冷麺の麺はそば粉が原材料です。
昔より蕎麦を常食とする山村には長寿が多いと言われています。
そばが健康に良いことは昔から知られていますが、近年、消費者の間でも食の健康や、安全性に対する関心が高まり、そばの持つ栄養的特長が、改めて注目されています。
そば粉のデンプンは他の穀類のデンプンよりもジアスターゼによる消化吸収が早いので、消化がよくなります。それと、忘れてはならないのが「蕎麦湯」。蕎麦湯に含まれるナイアシン、コリンが肝臓を保護するとともに、解毒作用があり、アルコールの分解を早めてくれます。そば湯を飲むと悪酔いしないといわれ、昔、そば屋ではお酒のことを『そば前』と呼んでいました。 |