麩が誕生したのは中国で、日本に入ってきたのは、室町時代という説と奈良時代という説があります。肉食を禁じられていた修行僧たちの貴重なたんぱく源として、精進料理用いました。
その後一般の人にも広まっていったようです。焼き麩は、千利休が茶会の茶菓子として出したものがきっかけで、広まっていったとも言われています。
麩の原料は小麦粉です。小麦粉に水を加えてよく練り、水洗いを繰り返しながらたんぱく質のグルテンだけを取り出す。これに小麦粉やもち粉を加えて加工したものです。京都の麩といえば、やわらかい団子のような生麩が有名であるが、全国的なのは乾燥したものです。作り方において、生麩は蒸すか茹でたもの、乾燥した麩は形を整えて、オーブンなどで焼いたものです。
麩の栄養素は豊富なたんぱく質、麩が、精進料理で肉の代わりに活躍したのものそためです。さらに、麩は保水性にも優れ、満腹感を得やすいので、ダイエット効果も期待されます。
全国各地には、さまざまな形の麩が、100種類以上あるります。主なものをとして、
車麩>麩の生地を棒に巻きつけて焼いた焼き麩。越後地方では、行事の際の煮しめに使う
あぶら麩>油で揚げてあるのが特徴。煮て卵とじや丼に、戻してきゅうりやワカメと酢のものに、炒めたり鍋の具に使う
すだれ麩>すだれに挟んで形を整え、乾燥させた麩。歯ごたえがあり金沢の郷土料理「治部煮」やすき焼き、酢の物などに使う
麩は生麩以外はたいてい乾燥しているので長期保存できる保存食です。
保存食としては高たんぱくということで、災害の時にはとても重宝する栄養のある食材です。是非、保存食として常備しておくことをお勧めします。
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