梅の旬は5月頃から7月頃まです。6月頃が店頭にたくさん出回ります。最も多いのは和歌山県産)で全体の約71%を占めています。
梅が伝来したのは、中国からの移植説と日本古来の原産地説とがあり、定かではありませんが、文献・学者の多くは中国原産地説をとっています。日本では、花がまず人々の関心をひき、果実の利用はその後になったのに対し、中国では果実の利用が先であったようで、古事記が成立(712年)する二百年余り前の「斉民要術」に梅の塩漬けが記録されています。
わが国において梅は、寒さに耐え、桃や桜に先駆けて美しい花を開き、馥郁たる香りを漂わせることから、万葉集では桜の四十二首に対し、百十八首も詠まれています。このように梅は、「観梅」「松竹梅」といった言葉からもわかるように古くから日本人の心に深く関り愛され親しまれてきました。
日本で果実として登場したものとして、梅干しが初めて書物に登場したのは、平安時代の中頃であり、中世以降において果実の利用が盛んになってきました。
鎌倉時代以降、実の多くは梅干しとして食用に供され、薬用としても重宝がられ、花は鑑賞用として人々に愛されてきました。また、木は硬質のため、器物に使用されていたようです。
今の季節、「梅雨」・・つゆですが、なぜ、「梅」の[雨」と書くのでしょうか?
確かに梅にとって、この季節の雨は、恵みの雨、
この季節に雨が降ることで、梅の実は大きく膨らんでいきます。梅雨」と書くのにはいくつかの説をあげますと、
「梅の実が熟す頃に降る雨」という意味。
中国の長江流域では「梅雨(ばいう)」と呼んでいたという説。「黴(カビ)が生えやすい時期の雨」という意味「黴雨(ばいう)」と呼んでいたが、カビでは語感が良くないので
同じ読みで季節に合った「梅」の字を使い「梅雨」になったという説。・・と多々あります。
「梅雨」という言葉は、江戸時代に日本へ伝わり、
その頃から、日本でも「梅雨(つゆ)」と呼ばれるようになったようです。
「うなぎと梅干し」は食い合わせが良くない・・これもよく聞く説ですが、本当でしょうか?
どうもこれは迷信のようです。医学的の根拠からしても体調に悪影響を及ぼすことはないようです。
なぜそのような迷信が生まれたのでしょうか?
【贅沢戒め説】
梅干は胃酸を分泌させ、食欲を増進させる。
そのため、高価なうなぎをたくさん食べることになる。
【過食の戒め説】
うなぎも梅干も、食がすすむ食材だ。
脂っこいうなぎも、梅干を食べながらだと
口の中がスッキリして、つい食べ過ぎてしまうので、
食べ過ぎを防ぐ意味で、言われたのではないか
どちらにせよ、これからの夏の暑い季節をのりきるために、梅が体を守ってくれそうです。
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