牛のルーツは、牛はヨーロッパ〜西アジアに分布した原牛が進化、飼いならされたものが家畜化したとされています。また、日本に牛が伝えられたのは稲作伝来(5〜6世紀)と同時期で、縄文、弥生時代とされています。しかし、、「肉食禁止令」が発令された飛鳥時代以降、牛肉をはじめとする肉食が禁じられるようになりました。
江戸時代、幕末、鎖国を打ち破る黒船が到来して開国となり、外国人向けの牛肉の調達が始まりました。
やがて明治初期には、「牛肉は滋養によい」という福沢諭吉の影響もあって、日本人向けに牛鍋を食べさせる店も現れました。横浜や長崎といった居留地で発祥、外国人からも人気があったそうです。また、座敷であぐらをかいて気楽に食べる鍋ということから、「あぐら鍋」という別名もつけられました。
牛鍋は、関東大震災をきっかけに、関西風に卵をつけて食べることが一般的になり、「すき焼き」と呼ばれるようになりました。一方で、牛鍋の残り汁をかけた丼飯が、「牛丼」となりました。
焼肉屋が出てきたのは、昭和20年頃、焼肉屋のルーツとされる「明月館」(東京)と「食道園」(大阪)が開店し、無煙ロースターの開発により、女性層からも支持を得るようになりました。今では定番の「塩タン」なども、昭和50年代に誕生したメニューです。平成に入ると牛肉の輸入自由化が行われ、焼肉の低価格化も進みました。いまでは、誰からも親しまれるようになりました。8月29日は「焼肉の日」です。
昭和25年には男58歳、女61歳であった平均寿命が、現在では人生80年時代を迎えています。肉食が食生活に入ってきて、良質なタンパク質をしっかり摂取できるようになったからだといえます。
<牛肉の部位と食べ方>
■サーロイン:柔らかく上質な旨味のある最高級部位の一つ。ステーキに最適。
■ヒレ:最も柔らかく、脂肪や筋がほとんどない最高級部位の一つ。ステーキがおすすめ。
■肩ロース:薄切りで食べると美味しさを強く感じられる。しゃぶしゃぶやすき焼きが良い。
■バラ:赤みと脂肪が層になっており、煮込みや焼き肉などがおすすめ。
■すね:長時間煮込むとコラーゲンが出る。シチューに。 |