セリは春の七草の一つでもあります。正月7日にセリなど七草を入れて炊いた七草粥を食べると万病を防ぐと伝えられています。
春の七草とは、「ごぎょう(母子草)、すずしろ(大根)、すずな(蕪)、せり、なずな(ペンペン草)、はこべ、ほとけのざ(小鬼田平子/コオニタビラコ)」の7種を指します。
セリはセリ科の多年草で、日本全国の山野に自生しています。古く奈良時代にはすでに食用とされていた記録が古事記、万葉集に残されています。水分の多い土壌を好み、沢や河川の水際などに繁殖しています。
春の七草粥だけでなく、古いセリの代表的な料理には、室町時代末期に「芹焼き」というものがあり、焼き石の上に芹をおいて覆いをして蒸し焼きにして柚酢や醤油をかけたものだったとか。秋田のきりたんぽ鍋には芹がなくてはならにものですし、すき焼きにいれてもおいしく、特有の香りが肉や魚の生臭みを消すといわれます。
栽培も昔から行われ、水田稲を刈った後やアゼなどにも沢山生えていたりします。現在は養液栽培された物が通年出回っています。
名前の由来は、1ヶ所に茂り「せまり」合うように生えることから「せまり」、それが転じて「せり」と言う名前がついたと伝えられています。その生命力の強さに、薬用としてつかわれたり、地名などに名前を付くなど、私たちの生活に馴染んでいる野菜です。
セリは売っている状態をみるとわかりますが、根っこも食すことができます。漢方では、発汗・解毒・利尿・リウマチなどに効くともいわれています。和え物、お浸し、天ぷら、どんな料理法でもおいしくたべることができるのでぜひ春の解毒として食してみてはいかがでしょう。
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